株式会社よりそうのお坊さん便、Amazonへの出品から撤退に考える

昨日、10月24日、株式会社よりそうはAmazonへのお坊さん便出品を取りやめ、自社ECサイトに絞ることを発表しました。

【お坊さん便】 大手ECサイトでの取り扱い終了および「おきもち後払い」導入を決定

これまでの経緯やここに至る理由の考察については、浄土宗僧侶でジャーナリストの鵜飼秀徳さんの記事に詳しいです。

アマゾン「お坊さん便」ついに中止になった理由』(PRESIDENT Online)

業績は好調でしたが、

「アマゾンの掲載によって仏事の価値が誤って理解されてしまった。仏事が不要なら我々も不要になります。正確な価値を伝えるため、アマゾンを取り下げることに決めました」(同社)

とあるように、仏教界はもとより、よりそうにとっても望んでいない方向へ事が動き出したからというのが、大きな理由のようです。私のような僧侶からしてみれば、当初から危惧していた通りのことでして、何を今更という気はしないでもないのですが。

お坊さん便のお布施については、地方のお寺と比べると実際のところさほど安くないんですよね。葬儀のお布施については地方のお寺でも数十万となってしまいますが、法事については正太寺なら1万円か2万円のお宅が多いです。そのほかのお付き合いを含めて考えても、お坊さん便の初回3万5千円、2回目以降4万5千円は、正直うらやゲフンゲフン

よりそうとしては、お坊さん便の利用をきっかけに、その和尚さんのお寺に入檀してもらえれば、という考えもあったようです。それゆえの、2回目以降に金額が上がるシステムというのであれば理解できなくもない。そのお寺の通常のお布施の方が安い可能性はかなりありますからね。

お布施の金額を高いだ安いだというのは自分で書いていても嫌になるのですが、この話題のときは仕方ない…

よりそうの考えには同調できる部分もあります。お寺との接点がない方に、接点を提供する。とても良いと思います。あとはそうですね、お寺と接点がないと思い込んでいるケースを解決したい。たいていのお宅は現代にあっても、一世代もしくは二世代上にたどれば菩提寺(御先祖を供養しているお寺)が存在していておかしくありません。親戚のおじちゃんとかに聞くと分かるんじゃないかと思います。そういうケース、多いんじゃないかなぁ。

たとえ遠方であってもとにかく菩提寺と連絡をとってみてもらえたらと思います。今なら電話番号だって簡単に調べられます。どこの誰々の親戚で、と伝えれば普通は通じます。お寺側も、過去帳見ればたいてい把握できます。その上でどうしたら良いか相談してもらえたら、お寺は嬉しいです。お布施についてもその時点で相談すればたいていのお寺は良心的に接してくれます。

そこで高圧的な態度に出てきたり、すごく高額なお布施を要求(なんの前提もなく100万円を超えるようなら、ものすごく高額と言って良いと思います。出せる金額が決まっているなら素直に伝えてみてください。)なんてことがあったら、そこはやばいお寺です。滅多にないやばいお寺です。石につまづいたと思ってすっきり忘れて、葬儀屋さんに相談したり、相談できる人がいればその人に頼りましょう。そんなお寺が存在していて本当にごめんなさい。

また、遠方であったとしても、出来れば住職に来てもらえるようにお話をして欲しいです。来てもらって実際に相対することで、その住職が信頼に足る人物かどうかも計れます。直接顔を合わせて話をするのはとても大きいです。住職が高齢であるとか、足に障害があるだとか、兼職していて自由が効かないなどの理由なく無碍に断るようでしたら、そこも要注意なお寺です。そんなお寺が存在してごめんなさい。現在では、檀家さんが遠方に引っ越していかれると、葬儀は近場のお寺に代行を頼まれてしまう事がほとんどです。そんな時代にあって、住職に来て欲しいと言われたら、喜ぶのが普通の住職です。ただその際は交通費や宿泊費の負担が生じてしまいます。そこはごめんなさい。お寺は基本的には収支がギリギリか赤字(兼職してその収入で生活している)の事が多いです。ご理解ください。(そのギリギリの収支を支えているのが葬儀のお布施という点も、どうか頭の片隅に置いておいてください)

中にはお寺と何かの事情で関係がこじれてしまって離檀したというケースもあると思います。その場合はお寺に対して良い感情は抱けないでしょうから、仏式の葬儀に拘らないのであれば、ほかの宗教に頼りましょう。無宗教の考えも尊重いたしますが、親しい人を送るというのは数年単位で自分の心に影響を与えるもの物です。時にそれは負のエネルギーを発することもあります。それを回避する盾になるのが宗教儀式です。私は、宗教を利用する方が合理的だと考えます。せっかく日本は気軽にいろんな宗教を試せるんですから、有効活用しましょう。

よりそうのAmazon進出は、Amazon自体が僧侶派遣サービスを始めたと思われたり、今回もお坊さん便サービス自体をやめてしまうと受け取られたりと、ストレートに話が通じていないケースを多々生んでいました。自社ECサイトに限定することでこれからは色々とすっきり受け取られるようになるんじゃないでしょうか。

お寺と葬儀屋さんはあまり仲良くないと思われることもありますが、実際にはお施主さんをはじめ、ご親族、会葬者、みんなにとって良い葬儀となるように、意見やアイデアを出し合うことも多いです。悪どいことなんか考えていないんです。残念ながら悪どくする人がゼロとは言えないのが辛いところですが、お釈迦様を暗殺しようとした弟子がいたぐらいですから、この世の中から悪い人がいなくなるなんてことはないのでしょう。とても残念ですね。

そんなわけで。
これを書くのに丸一日かかりました。私の気持ちが曲解されることなく伝わると良いなぁと願いながら、公開ボタンをポチッとします。

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