お寺関係のやりとり、ひとりだけITを利用して楽と得をする

悲しい現実のある一方で

先日、「HPはプリンター事業でリストラだというのに、お寺業界はFAXの導入すらままならない」にて、悲しい現実を書きましたが、1対1のやりとりであればIT活用しやすい状況もあります。

曹洞宗は本山と事務方が別系統で組織されていて、事務方トップが宗教法人曹洞宗といい、事務所を曹洞宗宗務庁と言います。

その下請け組織が各都道府県に最低1カ所ずつ。寺院数が多かったり、都道府県の面積が広い場合は最大4カ所、下請け組織があります。

その名前を宗務所と言いまして、我が静岡県は東部・中部・西部・伊豆に4つの宗務所があり、私が属するのは西部にある静岡県第四宗務所となります。

第四宗務所はそこそこIT活用が可能な宗務所となっていて、宗務所長含め9人いる職員の大半がFacebook Messengerを使います。もちろんメールもFAXも。ファイル共有はクラウドサービスを使ってますし、FAXを受信すると自動的にEvernoteに転送されて、通知が飛んだりもします。FAXは古いと言われますが、こうなっていると便利ですね。

お寺の世界も自治体と同じく申請主義であり、お寺側からアクションを起こさないと何も始まらない仕組みとなっています。住職交代はもとより、新しく弟子をとったり、責任役員が交代したり、そうしたことは全て宗務庁に申請をして承認を得たり登録してもらったりしなくてはならないのですが、その時に利用するのが宗務所。宗務所で書類のチェックをしてもらい、宗務所長の決済が下りると宗務庁へ書類を上げてもらえます。

そんなわけで度々宗務所とのやりとりが発生するのですが、私が宗務所と連絡を取りたい時にはMessengerで特定の職員やグループ宛に書き込んでしまいます。普通のお寺さんの場合は電話をするか、メールが使える方はメールでも問い合わせとなります。メールが来たことはほとんどなかったですが。

そう、私は前職員という立場なのでMessengerでやりとりしてしまいます。大抵の問い合わせは、グループに書き込んでおけばそのうちに誰かが回答してくれます。ありがたい。

書類を送ってもらうのもPDFでポンっと送ってもらって、こちらから提出するものもPDFなりFAXなりで。宗務庁へ送る正式な書類は郵送するか持参する必要がありますが、難しい書類の時にはPDFで送ってしまって事前に点検してもらえるので助かります。

こんな便利なのに、利用できないお寺さんが大半なのが勿体無い。私と同年代や年下世代でも、そもそもそういうことが出来ると便利という発想が無いっぽい。お知らせをしてもそれがどう便利なのか分かってもらえない。

「難しいことしなくても持って行っちゃえばいいじゃん」

そんなノリです。難しくないのに…

みなさん結構忙しいはずなので、気軽に宗務所と連絡を取れるようにと頑張ったんですけれど。

その気になりさえしてくれれば、優秀な人が多いんですよ


本来の勤めと世界が離れているように捉えられているのか、覚えなきゃならないものというようには考えてもらえません。車で往復するエネルギーを削減できれば、曹洞宗が長年取り組んでいる環境問題についても良いことばかりなので、曹洞宗の寺院としては真っ先に取り組むべきところだと思うのですが、それを声高に言ってしまうと何やら問題が起きそうなので、そっとしておきました。世の中はどんどんそちらへ向かっていますから、自然と気づいてもらえることでしょう。

宗務所へ送金することも時折あります。宗務所からは郵便振替口座への払込取扱票が添えられてきますが、ゆうちょダイレクトからの電信払込は月に5回まで手数料が無料なんですよね。一報入れて電信払込みにOKもらえば、手数料の分がお得になります。70円とかですけど、赤字寺院としては節約できるものは節約しなくては。もちろん、郵便局までの移動エネルギーも節約できます。

いいことづくし。

やっぱりこれを全寺院が活用できるようにしたいな。70代の御老僧が今から覚えるのは大変かもしれませんが、後継者がいればその方が覚えてくれればいいんですしね。

コメント

zenback

このブログの人気の投稿

夢のようだ・・・

DuraSpeedとかHuaweiの電源管理とか、やめてくれ

アップルのソフトウェア・アップデート画面の用語のわかりづらさはなんとかならないものか