ALIENWARE m17は動画のエンコードも速かった

※デル アンバサダープログラムのモニターに参加しています

前回の動画編集からずいぶん時間が経ってしまいましたが、前回、m17の成績はともかく、GPUの貧弱なMacBook Pro late 2016と同レベルであり、GTX1080を積むデスクトップが散々な成績だったのですが、ようやく真っ当な結果が得られました。

そして、原因も。

今回題材にした動画はこちら。



1分32秒の短い動画。編集はAdobe Premiere Proとm17で行いました。プロクシの作成は必要ですが、サクサクでした。タイムラインに乗せただけならカクツキもないのですが、文字を入れただけでカクツキましたんで、プロクシ必須です。

書き出しにかかった時間は、

m17が2分53秒
MBPが8分56秒
デスクトップが6分50秒

となりました。m17、圧倒的じゃないですか!

ただ、何かが引っかかる。m17に搭載のCore™ i7-9750Hと、デスクトップに搭載のi7-7700Kは、性能的にはほぼ同レベルだったはず。m17のGPUであるRTX2070がいくら高性能とはいえ、GTX1080も1000番代の中では1080tiに次ぐ性能です。そもそもRTXシリーズの目玉はレイトレーシング対応だったはず。ここまで差が出るのは変だし、そういえばPremiereの書き出しにGPUが対応してないとか何とかいう話をbackspace.fmで聞いた覚えが…

ようやく重い腰を上げて本格的に調べたところ、Premiereがハードウェアエンコードができる条件は、CPUにIntel® Quick Sync
が搭載されていること。CPU内蔵のグラフィックチップにのみ対応しているというわけです。つまり、GTXだろうとRTXだろうと関係なしということに…もちろん、編集中にはGPUを活用しているらしいので、CPU内蔵グラフィックチップよりも快適に作業ができている、はず、です。


この画面で「ハードウェアエンコーディング」が選択できれば、Intel® Quick Syncを使ってエンコードをしてくれるというわけ。

で、Intel® Quick Syncは7700Kにも当然搭載されているのですが、なぜか「ハードウェアエンコーディング」が選べません。エンコード設定自体がグレーアウトしている状態。

BIOSの設定でIntel® Quick Syncのオンオフができるということなので、多分このデスクトップで初となるBIOS設定に入ってみたら、案の定、オフになってました。HPのOMENというゲーミングPCブランドなのですが、何か相性問題でもあってオフになってるのかな?

起動しなくなったらどうしようと思いつつ、オンにして試してみました。起動も普段同様に完了。タスクマネージャーにGPUとして表示されていないので心配したのですが、デバイスドライバーが入っていなかったみたいで、自動インストールが終わると同時にタスクマネージャーに使用率が出るようになりました。やはり初期状態でIntel® Quick Syncはオフなんですね。

この状態でPremiereで同じ動画を書き出してみた結果。

2分43秒。

なんと、最速です。ALIENWARE m17もゲームミングPCではありますが、ノートPCということで、どこか省エネに振っている部分があるのでしょうか。単純にCPUをブン回しても冷却が追いつくデスクトップが有利というだけなのかな。

そして、m17ではタイムラインに文字を載せただけでカクついたのに、デスクトップPCではカクツキなく編集できそうでした。トランジションとか足して行ったらどうなるか分かりませんが、ちょっとした編集ならプロクシ作成を待つ間に、編集が終わってしまいそうです。

Intel® Quick Syncはエンコードをハードウェアで行うための仕組みであって、品質の上限はある程度決まってしまいます。ソフトウェアであれば後からいくらでも品質を高めたエンコードができるので、Adobeとしてはその辺にこだわりがあってNVIDIAやAMDのGPUのハードウェアエンコードには対応しないのかもしれません。が、そうするとIntel® Quick Syncには対応することと整合性が取れなくなるので、よく分からないとしか言えませんね。

NVIDIAにもNVEncという、Intel® Quick Syncと同様の仕組みがあるんです。Premiere以外の動画編集ソフト、例えばBlackMagic DesignのDaVinci ResolveはNVEncに対応しています。そちらを使えばさらにエンコード時間が短縮できるのかもしれません。が、ソフト自体がPremiereよりも重たい印象です。少なくとも起動時間は遥かに長い。高機能なのに大半の機能が無料で使えるので、Adobe CCの支払いができなくなったら乗り換え候補先の一番手に考えています。

m17の速さを知ってしまったら、手放したくなくなってしまうなと困っていたのですが、何とかメインマシンのデスクトップPCで編集継続できる心持ちになりました。よかった。

工場出荷時にオフになっているIntel® Quick Syncをオンにしたことで、何か悪影響が出ないかが心配ですが、その時はまめにオンオフしながら乗り切ろうと思います。

いずれにしても、昔のゲーミングPCとは比べものならないサイズ感、普通のノートPCサイズに収まっているというのに、これだけ高い性能を持っているALIENWARE m17は驚異的です。17インチの画面サイズも、何とか編集に使えました。数多あるPCゲームもできるし。この性能を持ち出せるというのは、ちょっと前までなら夢物語だったんです。生きててよかった。

あとはiPad Proですねぇ。結局注文してしまいました。4K動画を実時間で書き出せるという話なので、とても楽しみにしています。動画編集がiPad Proに移行できてしまえば、仕事机の配置もだいぶ変わってきますよ。へへへ。ただ、当分MacもデスクトップPCも機材更新はできないことになりました。最新のMacBook Pro、使ってみたいけれど、iPad Proが思った通りの性能だと、割と用途がかぶるんですよね。下手したら、今使っているMacBook Proが、私にとっては最後のMacになるかも…

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